「奇跡のリンゴ」という映画は、リンゴ農家である木村秋則さんの実話が基になっています。
映像からリアルさが伝わってくるので、原作本を読んでいる方も読んでいない方にもおすすめできる作品です。
無農薬栽培という新しいことにチャレンジし続けた木村さんと家族の物語をご紹介します。
目次
作品情報
基本情報
キャスト
阿部サダヲ(木村秋則)
主人公の木村秋則さんを演じているのは、阿部サダヲさんです。
映画の「なくもんか」や「殿、利息でござる」、ドラマの「マルモのおきて」にも出演しています。
菅野美穂(木村美栄子)
奥さんの美栄子さんを演じているのは、菅野美穂さんです。
映画の「Dolls」や「パーマネント野ばら」、ドラマの「愛をください」や「働きマン」にも出演しています。
他の出演者はこちらの方々です。
森永悠希(秋則・高校生期)
飯村末侑(美栄子・高校生期)
池内博之(もっちゃん)
笹野高史(深津)
伊武雅刀(三上幸造)
原田美枝子(三上葺子)
山崎努(木村征治)
本田博太郎(銀行支店長)
原作
原作は、2008年に出版された市川拓治さんの『奇跡のリンゴ「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』です。
著者の市川さんはフリーライターであり、ノンフィクション作家として活躍されています。
「土の学校」や「茶色のシマウマ、世界を変える」なども出版しています。
監督
監督は、「アヒルと鴨のコインロッカー」や「チームバチスタの栄光」などの中村義洋監督です。
監督の作品で個人的に好きなのは、「ジャージの二人」や「ゴールデンスランバー」などです。
あらすじ
これは主人公の木村秋則さんの10年以上に及ぶ挑戦の物語です。
リンゴは普通、農薬で育てるのですが、木村さんは農薬を使わないで育てることにしました。
無農薬栽培をしようと思ったのは、奥さんの美栄子さんのためでした。
美栄子さんは、農薬を散布する時期になるといつも体調を崩していました。
木村さんの挑戦は、想像できないほど過酷で一筋縄にはいきませんでしたが、家族や周りの人達に苦労をかけながらも無農薬の挑戦を続けていきます。
誰も成功することができなかった木村さんの挑戦は、果たして・・・。
映画の見どころ
この物語は、リンゴ農家である木村さんと奥さんの美栄子さん、そして子どもたちの絆も描かれている作品です。
木村さんの無謀ともいえる挑戦は、家族だけでなく周りの人達も巻き込んでいくことになります。
物語の雰囲気を和らげてくれるのは
この映画を観ると、リンゴを無農薬で育てるということがどれだけ難しいのかがよく分かります。
そんな簡単にはできないことに、木村さんは挑戦していきます。
実話が基になっているので、この物語はどちらかという真面目な話になります。
実際に秋則さんご本人は、映画がリアリティすぎて上映途中で席を離れてしまったそうです。
確かに、自分の苦労した時期を思い出すのは辛いですよね。
そんな物語の雰囲気を和らげてくれるのは、木村さんを演じている阿部サダヲさんでした。
阿部サダヲさんといえば、どちらかというとコメディ要素の強い俳優さんだと勝手ながら思っています。
沢山の作品に出演している俳優さんですが、私は特に「舞妓Haaaan!!!」で演じていた主人公の鬼塚という役が印象に残っています。
こちらの映画は元々コメディなので、そういう風に演じていたのかもしれませんが、それにしてもキャラクターが濃かったです。

そのような印象があったせいか、阿部さんの言葉や仕草を観ていると、苦労が続くシーンでも深刻になりすぎないで観ることができました。
美栄子さん
この映画のもう一人の大切な人物は、奥さんの美栄子さんです。
美栄子さんを演じているのは菅野美穂さんですが、明るい人物像が映像の中から伝わってきます。
ずっと木村さんを信じてついていく美栄子さんの深い愛を、菅野さんの演技から感じることができると思います。
菅野さんのナレーションもとても温かみがあるので、聴いてみてほしいですね。
菅野さんの明るい笑い声と阿部さんの雰囲気が合わさって、この物語全体をあたたかみのあるものにしてくれています。
ちなみに木村さんの子どもの頃のエピソードも、普通ではしないようなことが繰り広げられているので見どころともいえます。
それを観ていると、子どもの頃から培ってきた木村さんの性格が、リンゴの無農薬栽培にも生かされているんだと思えます。
良い言葉の大切さ
木村さんが、リンゴの木に1本ずつ大切に声をかけていくシーンがあります。
周りの目を気にして声をかけなかったリンゴの木があり、明らかな違いが出ていました。

これを見て、江本勝さんの「水は答えを知っている」という本を思い出しました。
こちらの本には、良い言葉をかけた水の結晶はきれいな形になり、悪い言葉をかけた水の結晶はいびつな形になる、という実験結果が載っていました。
この実験と同じで、水もリンゴの木も、そして人間や動物にも、良い言葉を使うのは大切なことなんですよね。

終わりに
「奇跡のリンゴ」は本が出ているのを知っていたのですが、なかなか読めずにいた作品です。
そんな時に映画になっていることを知り、観てみることにしました。
この映画を観て、私は木村さんのように「先が見えないことに挑戦し続けることができるだろうか・・・」と考えてしまいました。

無農薬栽培という挑戦から見えてきたものは、家族の絆であったり、周りの人達との関係性でした。
原作の表紙になっている木村さんの笑顔を見ていると、そんな過酷なことを乗り越えてきたとは思えないような柔らかい雰囲気が漂っています。